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スタッフから

(60)リノベーション&エコロジー・パーク 〜「仙遊島公園」を訪ねて〜

前回コラムで、第9回韓日造景人親善蹴球大会の前日に、ソウル市内の漢江(ハンガン)に位置する仙遊島公園(ソニュド・コンウォン)を訪ねた件について触れたが、同公園についてもう少しご紹介したい。


▲公園入口に同時滞在者数をデジタル表示

▲浄化した水を使用している水遊び場

▲ポンプ管を活用した遊び場

▲再生鉄板を使った落書きボード

▲ポプラ並木

▲浄水場施設を再利用した壁泉

▲カフェテラス

▲リサイクルモニュメントの牛

▲仙遊橋

▲公園内のコンビニエンスストア

仙遊島公園は、1978年から2000年までソウル西南部に水道水を供給していた浄水場施設の再利用を図ったもので、ソウル市が164億ウォン(約13億円)の事業費をかけて整備した面積11.4haの公園である。かつての場所性、歴史性の復元と浄水場施設の再生利用、流域生態や河川の水質浄化をテーマに、「リノベーション&エコロジー・パーク(Renovation & Ecology Park)」として整備、2002年4月22日にオープンした。2004年にはアメリカのASLA賞を受賞している。

仙遊島は、元々島ではなく海抜40mの丘陵地で仙遊峰(ソンユボン)と呼ばれる景勝地であったが、時代とともにその姿を変えてきた。日本朝鮮府時代に石切り場として開発され、その後河川改修とともに浄水場として整備され、河川越しに広がる美しい山河景観を眺める視点場の機能は無くなった。

現在、仙遊島公園には、漢江の歴史と動植物を紹介した漢江歴史館、水質浄化をテーマにした水性植物園、時間の庭、水遊び場、施設再生遊び場、円形小劇場(200人収容)などが整備され、ソウルの新しい観光名所になっている。
特に、2つの浄水場沈殿池(41m×5m)を利用した「時間の広場」は、かつてここが浄水場であったことを確認することができ、季節感と雰囲気のある空間を形成しており、韓国映画やドラマのロケ地としても使われている。水質環境をテーマにした水遊び場は、漢江の水を汲み上げ、水生植物園の植物や砂利等のエコ濾過施設で浄化した水を利用し、子どもたちが安全に水遊びを楽しむことができるせせらぎや池である。その他、自由に落書きができる再生鉄板を使った落書きボードやカフェテラスがあり、シラカバの森やポプラ並木も整備されている。

ソウル市の施設管理担当者からは、仙遊島公園でのソフト展開の説明を受けた。
夏休みには仙遊島の歴史と漢江の自然生態を学ぶ仙遊島探険教室、冬休みにはソウル市無形文化財のノ・スン氏の指導で伝統タコ作り教室を開催するなど、多彩なプログラムを準備して利用者サービスを行っているそうだ。最近では、環境生態をテーマにした屋外シンポジウムや公園ギャラリー、クラシックコンサートなどのイベントにもよく使われるとのことだった。訪れた時には、バイクの部品を使って製作したリサイクル・モニュメントが展示されており、その出来映えには感心させられた。

アメリカのASLAは、仙遊島公園に対してそのランドスケープ・デザインと公園マネジメントを高く評価して賞を与えているが、まちづくりにおいてはこのような柔軟な発想と質の高いデザイン、マネジメントが重要であることを痛感した。
近年、環境再生プロジェクトにより甦った清渓川(チョンゲチョン)が脚光を浴びているが、仙遊島公園がそれより以前に環境再生プロジェクトとして、環境まちづくりや地域活性化の先駆けとなった公園であることは、韓国国内や日本においても余り知られていない。私自身は韓流映画に関心はないが、参加者の中に熱烈な韓流映画ファンがおり、「サマリア」や「青春漫画」のロケ地としても有名な公園であると聞いた。公園関係者より韓流映画ファンによく知られているとは、何やら複雑な心境で……。

また、仙遊島公園の対岸には漢江公園楊花地区があり、2つの公園を結ぶ全長120mの仙遊橋(ソンユギュ)は、フランスの建築家(名前は忘れた)が設計した歩行専用のダクタル・アーチ橋である。歩道橋自体は漢江市楊花地区の都市部からスムースにアクセスできる469mの長いアプローチ橋で、夜には華やかにライトアップされ、夜のお洒落な公園の雰囲気づくりに大きく貢献している。
漢江公園には、10年ほど前からコンビニエンスストア(セブンイレブン)があり、街中と同様に食べ物や日用雑貨を購入でき、快適な公園でアイスクリームを食べたり、ビールが飲める環境にある。遊び道具の貸し出しなどもあって、ソウル市公園管理者の柔軟さと利用サービスの徹底振りは、我が国の公園管理者も学ぶところがあるのではないだろうか。

ソウルに行く機会があれば、ランドスケープやまちづくり関係者、そして韓流映画ファンは、是非、仙遊島公園を訪ねてもらいたい。

(2009.12.24)

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