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韓国を代表するフットパス「済州オルレ」の魅力を探る

案内幕

▲「7コース」の案内幕

コース案内板

▲コース案内板

海岸沿いのオルレ

▲海岸沿いのオルレ。天気が良ければ美しい海岸景観をもっと楽しめただろう

丘を行くオルレ

▲丘を行くオルレ。都市部にはない土舗装の道は、済州オルレの魅力の一つ

ゴム舗装

▲ぬかるみやすい場所はゴム舗装となっている。驚くほど歩きやすい

韓国を代表するフットパスである「済州オルレ(Jeju Olle)」は、2011年10月現在、23コース、総延長376km、世界自然遺産の美しい海岸沿いや石垣に囲まれた集落周辺を歩きながら地域の自然や景観、生活文化、地域の方々とのふれあいを楽しむことができる魅力的なコースである。

済州島で開催された第11回韓日造景人親善蹴球大会に参加した際、試合当日の早朝、約1時間半友人と宿から海岸までの済州オルレ「7コース」の一部を歩いてみた。

この「7コース」は、ウェドルゲ〜ウォルピョン浦までの15.1kmのコースで、所要時間約5時間、美しい海岸線と韓国最高峰の漢拏山(ハルラサン 標高1950m)の眺望の他、コース沿いの休憩スポットなどに人気があるそうだ。

我々が宿泊した豊林(プンリム)リゾートは、このコース上に位置し、宿泊拠点の一つとして韓国本土からの団体客や若い女性グループの利用者が多く、早朝5時半頃にはオルレに向かう人、漢拏山に登る人たちで賑わっていた。

済州オルレは、脱アスファルトの設計思想でコース整備が行われている。主要地点や分岐点にはコース案内板、公衆トイレが設置され、青色の矢印、黄色や青色のリボンの目印に従って歩けばコースを外れる心配がなく、安心して歩くことができる。

一見、何ということのない遊歩道であるが、単調で長い階段、画一的なコンクリートやアスファルト舗装ではなく、自然の土舗装や地形に馴染んだ園路線形を基本にして、安全性と歩きやすさ、維持管理のしやすさに配慮した最小限の整備にとどめている。中でも、雨天時や降雨後のぬかるみができそうな箇所や滑りやすい箇所については、細長いゴムを編み込んだ舗装がさりげなく整備され、きめ細かな配慮がなされている。

同様の配慮については、夏に箱根旧街道(神奈川県 箱根町〜静岡県 三島市)を歩いた際に、雨天時や雪解け時期のぬかるみ対策、山側からの雨水排水処理、街道の補修等の手間を省くことなどを意図して江戸幕府によって整備されたことが解説板に書かれていたことを思い出した。

済州オルレは、2007年に「済州火山島と溶岩洞窟」が世界遺産に登録されて以降、済州島観光の流れをスローな観光に変えつつあるという。これまでの済州島観光は、韓国本土の大手資本による大型リゾートホテルに依存し全てリゾート施設内で完結し、地元への還元は少なかったようである。世界遺産登録をきっかけに地産地消を中心とした地域経済への波及効果や、観光消費がもたらす経済効果をコース沿いに暮らす地元の人々にも還元する工夫が注目されている。

済州オルレを歩く人たちがコース沿いのカフェで休み、食堂で郷土料理や地元の珍しいものを食べたり購入することによって、観光消費による地域経済への貢献度は大きく、コース各所で「歓迎」と書かれた横断幕を掲げていることからもその期待の大きさが伺える。

最近、様々な視点で注目されている済州オルレであるが、済州オルレに関する観光情報や詳細なコースマップは少なく、現地の空港や韓国観光公社の観光案内所、ホテル等には置いてないので、これから訪れる人は事前にホームページをチェックしておくなどの注意が必要である。

現地で入手した済州オルレの情報は、コース概略を記載したハングルのリーフレットやイラストマップの簡単なもので、私のようにハングルが読めない外国人にはコース概略図やイラストよりも、正確な地図情報の上に現在地やコース概要、周辺情報等を読み取ることができるコースマップが欲しいところである。これは、日本国内でも同じことで、外国人観光客に地域を歩いてもらおうと考えているならば、最低限、正確な地図情報を提供する必要がある。

わが国の代表的なフットパスである「東海自然歩道」や「関東ふれあいの道(首都圏自然歩道)」等は、人里離れた自然公園内の丘陵地や山地を中心にネットワークしているため、生活文化や歴史、地域との関係性が弱く、地域経済への波及効果が十分とは言い難い。これらの代表的なフットパスを軸に、コース周辺の地域固有の自然や景観、文化資源等とネットワークを結び、地域との協力や関係性を充実すれば、済州オルレにも負けない魅力あるフットパスができるのではないだろうか。


侵入防止柵

▲コース沿い民地への進入禁止柵。誰が見ても入っていけない場所であることが分かる

海産物

▲海岸沿いのオルレでは、新鮮な海産物が食べられる。こうした地産地消と地元の方とのやりとりは、済州オルレの大きな魅力となっている

箱根旧街道石畳(神奈川県 箱根町)

▲国指定史跡「箱根旧街道」の石畳(神奈川県 箱根町)。歴史的な魅力は十分あるはずだ

(2011-12-06)


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