尺丈山百樹の森づくりが内閣総理大臣表彰を受賞!
▲平成11年(1999)9月、約2,300本の苗木が順調に成長
▲平成14年(2002)3月、山火事からの復興植樹に着手。山火事の跡が痛々しい
▲平成14年(2002)9月、秋の下草刈り
▲平成15年(2003)9月、秋の下草刈り
▲平成15年(2003)9月、尺丈山百樹の森が日本酒になった
平成8年(1996)に茨城県美和村(現 常陸大宮市)の地域活性化基本計画策定調査に関わって以来、個人的に地域との密接な付き合いが始まった。
旧美和村は、茨城県北西部、栃木県境に位置し、村域の8割を山林が占める林業の村である。当時、人口減少と若者層の村外流出による高齢化が急速に進み、県際地域等の立地環境とあわせて基幹産業である林業の低迷等から、村の活性化を図る「村おこし」が大きな課題であった。このような村の状況を打開するため、地域住民が主体となって地域の特性や個性を発掘し、地域の将来像を考え、できることから計画的に取組んでいこうということで、行政と地域の合意形成ができた。その中で、拠点地区の一つとして村の最高地点である尺丈山(標高511m)※山頂付近にある国有林払下げ地の有効活用が決まった。
- (※)尺丈山は、茨城県北地域のハイキングが楽しめる手軽な山として根強い人気がある。山頂からのパノラマ眺望に優れ、1月〜3月頃には遠く富士山、浅間山、赤城山、奥白根山等の眺望が楽しめる。
平成9年(1997)、美和村合併40周年を記念して掲げた21世紀へのメッセージ「夢を形に、21世紀を見つめる子供達のために」を実現していくため、国有林払下げ地9.2haのうち、約2haを「本物の自然とのふれあいが楽しめる、将来の緑の資産を村民総出で創造する」をテーマに、地域住民から提案されたビジョンの一つである広葉樹の森づくりに着手した。
1年目の平成9年度に約2,300本の広葉樹を植樹し、20年計画で環境基盤を整え、将来的には周辺区域を含めた一帯を「森林生態博物館(エコミュージアム)」として整備する息の長い森づくり事業である。この森は、様々な自然体験や都市住民との交流拠点として活用することを目指し、「尺丈山百樹の森」と名付けられた。
私は、計画立案に関わった関係から、アドバイザ−として事業初年度から「尺丈山百樹の森づくり」に参加し、地域の皆さんと一緒に植樹から補植、下草刈り、登山道の整備等のボランティア活動に取組んできた。この間、平成13年(2001)と平成16年(2004)にハイカーのタバコの火が原因と思われる山火事が2回発生した。
平成13年4月11日の山火事では植栽地を含む約4haが焼け、地元の小中学校の卒業記念植樹や結婚記念樹など1~3mに成長した苗木の約8割が消失した。地元のショックは大きく、復興までに約1年かかったが、平成14年(2002)3月17日・23日に多くの人々の支援を受けて復興植樹がスタートした。毎回、地元は勿論、茨城県内各地や遠くは神奈川県、東京都、埼玉県、千葉県からもボランティアが集まって植樹と森の手入れが続けられ、今では3〜5mの立派な樹木に成長し、広葉樹の森は着実にできあがりつつある。
これまでの地道な活動が評価され、「尺丈山『百樹の森』森づくりボランティア協議会」は、「平成21年度 全国育樹活動コンクール(団体の部)」で農林水産大臣賞、今年6月には「平成23年 緑化推進運動功労者内閣総理大臣表彰」を受賞した。特に、緑化推進運動功労者内閣総理大臣表彰は、都市や地域の緑化推進運動について顕著な功績のあった個人又は団体を顕彰するもので、今年は全国で個人1名及び12団体が受賞した。協議会のメンバーは、最高の栄誉をいただいて、活動に一層の弾みがついているところである。
しかしながら、事業着手から15年目ともなると、活動の中心であった地域の皆さんも当然のことながら年齢を重ねており、中心メンバーの年齢は70歳を超え、運営母体の若返りと活動資金の確保など大きな課題を抱えている。
本来、まちづくりや地域づくりは、地域主体で、地元の若者たちが中心となって取組む必要があるが、平成16年(2004)の市町村合併以来、地元の若者層のライフスタイルや価値観、家庭環境も大きく変わり、「尺丈山百樹の森づくり」は旧美和村の取組みであって我々には関係ないといった地域の縄張り意識や、不便な地域から便利な市街地への流出(地元離れ)、他の関心事への参加など、地域住民のこの事業に対する関心が年々薄れてきているような感じがして残念でならない。
一方で、参加者については、新たな動きも見られる。茨城大学が学生さんに対して社会貢献活動に関する情報提供を行っており、ここ2、3年、茨城大学の学生さんが自主的に「尺丈山百樹の森づくり」に参加する姿が見られるようになった。こうした地域の外から参加する若者を目の当たりにすると、自分のまちの最高地点の森づくりに常陸大宮市民がもっと関心を持って、積極的に参加して欲しいと願わずにはいられない。そのためには、常陸大宮市の首長や議会、関係部局の理解と支援が不可欠である。国や県に評価されているものの地元の関心や評価が低いようでは洒落にもならないし、このような対応では本当のまちづくりや地域おこしはできないのではないかと、大変気をもんでいる。
【外部リンク】茨城県のホームページ > 平成23年緑化推進運動功労者内閣総理大臣表彰式が開催(2011年6月23日)
▲平成17年(2005)9月、復興植樹で植えた苗木はまだ細い
▲平成18年(2006)3月、復興植樹から4年が経過。まだ山火事の爪痕が残る
▲平成18年(2006)6月、夏の下草刈り
▲平成20年(2008)3月、登山道を整備
▲平成22年(2010)6月、林床の安定した樹林地
▲平成22年(2010)6月、野鳥の巣箱掛け
▲平成22年(2010)9月、秋の下草刈り。皆で記念撮影。「山火事用心!!」
▲平成23年(2011)9月、秋の下草刈りに参加。立派な森に育っている
▲平成23年(2011)9月、「緑化推進運動功労者内閣総理大臣表彰」の楯と賞状
(2011-09-16)
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| 業務実績 | 尺丈山百樹の森整備事業(美和村 地域活性化基本計画) | 茨城県 美和村 (現 常陸大宮市) |
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